今回は平行筋と羽状筋について学んでいこう!
人体にはおよそ400もの筋肉があるのですが、それぞれがもつ働きによってその形や特徴が違います。
まったく本当によく出来てます。
鍛えたい筋肉の形状や特徴を頭に入れておけば、トレーニングのポイントも分かるようになります。
ということで、今回は解剖学講座の第5弾、「筋肉の形状」についてです。
筋肉の形状の種類
まずはこの2つは覚えておきましょう。
平行筋[へいこうきん](別称:紡錘状筋[ぼうすいじょうきん])
平行筋という名前の通り、筋線維が平行に走っている筋肉です。
細いゴムを束ねたようなものだとイメージしてください。
紡錘は漢字が難しいですが、名前の由来は糸をつむぐ糸巻きの形に似ていることから来ています。
最近は平行筋と呼ぶことが多くなっているようです。
分かりやすいのは、力こぶの上腕二頭筋、他には大胸筋や広背筋です。
羽状筋[うじょうきん]
羽状筋とは文字のごとく、鳥の羽のような筋肉です。
半分だけだと半羽状筋と言います。
筋線維が斜めに走っていて、平行筋に比べて線維が短いです。
代表的な筋肉は、太もも前面の大腿四頭筋、腕の後ろの上腕三頭筋、ふくらはぎの腓腹筋、肩の三角筋などです。
平行筋と羽状筋の特徴
それぞれの代表的な特徴は
- 平行筋・・・収縮のスピードが速い、収縮距離が長い
- 羽状筋・・・収縮のスピードは速くないが力が強い、収縮距離が短い
となります。
体重を支える下半身の筋肉はほとんど羽状筋です。
羽状筋は斜めの角度が筋肉によって違っています。
角度が大きいほど、スピードは出ないが力が強い、ということになります。
一方で腕を曲げるための上腕二頭筋は、平行筋でスピードがあります。
とっさに腕を曲げて身を守ったりしないといけませんから。
筋肉の形と聞いて多くの人がイメージするのは平行筋の方だと思います。
しかし、人間の体で多いのは圧倒的に羽状筋です。
どうトレーニングに活かすか
これらのことを踏まえて、実際のトレーニングにどのように反映すればいいのでしょう。
複雑な形状の筋肉もあるので全てに当てはまる訳ではないですが、基本的には筋肉の走行方向を頭に入れておき、その方向に合わせて収縮・伸展させます。
- 平行筋・・・動作域を大きく、最大に収縮・伸展させる
- 羽状筋・・・動作域は小さくても、高重量を使う
となります。
どちらにしても丁寧にやることは間違いないのですが、羽状筋に関しては、多少反動を使ったり、振り回すようになってでも高重量を使うことで効くようになることがあります。
また、動きは小さくても高重量でチョコチョコ動かすだけでかなり効くこともあります。
自分でいろいろ試してみてください。
では今回は以上です。